タイの不動産税ガイド:買主・売主が支払う税金とは
2026/10/9時点でレビュー済み
タイの不動産税は、売買時にかかる移転費用、特定事業税または印紙税、源泉徴収税という4つの主な負担に加え、所有後は毎年の土地建物税が課されます。本ガイドでは、それぞれの税率、通常の負担者、そして予算の立て方をわかりやすく解説します。
タイの不動産税は、大きく分けて2つのタイミングで発生します。不動産の所有権が移転するときと、その後毎年所有し続ける間の2つです。移転時には、土地局(Land Department)が公示価格の2%にあたる移転費用に加え、3.3%の特定事業税(Specific Business Tax)または0.5%の印紙税のいずれかを徴収し、さらに売主の売却益から源泉徴収税を差し引きます。登記完了後は、政府の評価額に基づいて毎年の土地建物税(Land and Building Tax)を所有者が負担することになります。買主と売主はこれらの費用を慣習的に異なる形で分担しており、予約契約書にサインする前にルールを理解しておくことで、決済時の費用をめぐるトラブルを防ぐことができます。
移転費用:2%が基本となる負担
移転費用は、実際の売買価格ではなく、不動産の政府公示評価額の2%で計算され、所有権登記の当日に土地局で支払われます。例えば、評価額300万バーツのコンドミニアムの場合、(cite index="1-1">移転費用の合計は60,000バーツとなります。買主が30,000バーツ、売主が30,000バーツを負担するのが一般的ですが、交渉次第で変更も可能です。慣習として50/50で折半されることが多いものの、この分担は法律で定められたものではなく、あくまで交渉次第です。
移転費用の軽減措置
タイ政府はこれまで、一定の条件を満たす住宅売買に対して移転費用を2%よりも大幅に引き下げる措置を断続的に実施してきましたが、こうした軽減措置は歴史的にタイ国籍者を対象としたものであり、外国人のコンドミニアム購入者には適用されてこなかった傾向があります。優遇措置は時期によって延長・縮小・終了が繰り返されるため、割引が適用されると思い込まず、必ず土地局または現地の弁護士に最新の適用条件を確認してください。
特定事業税と印紙税:どちらが適用されるか
特定事業税(SBT)と印紙税は互いに排他的であり、1つの取引に対してどちらか一方のみが課され、両方が同時に課されることはありません。(cite index="1-2">特定事業税は、売主が物件を購入してから5年以内に売却した場合に適用されます。税率は評価額または登記上の売買価格のいずれか高い方の3.3%です。
印紙税は、売主が十分な期間保有した場合に適用される、より負担の軽い代替措置です。(cite index="1-3">売主の保有期間が5年を超える場合には、特定事業税の代わりに印紙税が適用されます。税率は登記価格の0.5%です。また、5年以内であっても、売主が家屋登記簿(タビアンバーン)に少なくとも12カ月間名前を記載していた場合は、その居住実績が商業目的の売却でないことを示すため、印紙税の適用対象となることがあります。
SBTと印紙税の比較
源泉徴収税:売主の受取額から控除される税金
源泉徴収税は、売主の売却益に対する所得税の前払いとして機能し、移転登記の当日に土地局で控除され、残りの売却代金が売主に支払われます。(cite index="2-1">源泉徴収税は土地局で控除され、売主の売却益に対する所得税の前払いに相当します。その計算方法は、法人の売主と個人の売主とで大きく異なります。
法人が売主の場合
会社が不動産を売却する場合、ルールは比較的シンプルです。(cite index="2-2">法人が不動産を売却する場合、源泉徴収税は評価額または申告売買価格(いずれか高い方)の1%です。この金額は、その会社の年間法人所得税額から控除(クレジット)されます。
個人が売主の場合
個人の売主の場合は、より複雑な累進的な計算方法が用いられます。(cite index="2-3">個人の売主の場合、計算はより複雑で、評価額と保有年数に基づく累進的な税率構造が用いられます。まず評価額に控除率を適用して「みなし所得」を算出し、このみなし所得を保有年数で割った上で、累進的な個人所得税率に基づいて課税されます。この控除率自体も保有期間に応じて変動し、所有から1年後にはおよそ92%、8年以上保有すると最低値の50%まで下がる仕組みになっており、一般的に長期保有者ほど実効税負担が軽くなります。
決済時に誰が何を負担するのか
タイの法律では各費用についての法的な支払義務者を定めていますが、買主と売主の間での最終的な負担配分は常に交渉可能であり、売買契約書に明記しておくべき事項です。(cite index="8-1">2%の移転費用は買主と売主で50/50に分担するのが一般的ですが、これは交渉可能です。特定事業税(SBT)または印紙税、そして源泉徴収税については、法律上は売主が支払う責任を負います。これは、両方の税がいずれも売主の売却益または事業者としての地位に基づいて計算されるためです。
フリーホールド(永久所有権)のコンドミニアムユニットを購入する外国人買主は、主に移転費用の自己負担分と、もしあれば抵当権設定登記費用を予算に組み込んでおけばよく、特定事業税と源泉徴収税は売主側の負担となります。
リースホールド取引は登記費用が安く済む
外国人がフリーホールドで所有できない土地や戸建て住宅で一般的なリースホールド(賃借権)の取引は、フリーホールド移転に比べて登記費用がはるかに軽くなります。(cite index="3-1">不動産のリース登記費用は1%として計算され、さらに0.1%の印紙税が加算されます。その結果、リース期間全体の総額に対して1.1%の費用が適用されます。この費用は、リースの初回登記、更新、または第三者への譲渡の際に支払われます。
毎年の土地建物税:所有を続ける限り発生するコスト
一度限りの移転時の税金とは別に、タイで不動産を所有する人は誰でも、政府の評価額に基づいて毎年土地建物税を支払う義務があり、これは地元自治体から毎年請求されます。税率は不動産の用途によって異なり、小規模な住宅保有については非課税枠が設けられています。
住宅用不動産の税率
所有者が土地と家屋の両方を保有する主たる住居の場合、(cite index="4-1">評価額のうち最初の5,000万バーツまでは非課税です。この基準額を超える部分や、非課税枠のないセカンドハウス・賃貸用不動産については、評価額の低い価格帯でおよそ0.02%程度から始まり、1億バーツを超える部分では0.10%程度まで段階的に上昇していきます。
商業用・農業用・空き地の税率
商業・工業用地は、住宅用不動産よりも重く課税されます。(cite index="5-3">商業・工業用地および空き地の税率上限は1.2%で、実効税率は0.3〜0.7%です。一方、農地は4区分の中で最も税率が低く設定されています。(cite index="5-1">個人の所有者で、かつ土地価格が5,000万バーツを超えない場合は非課税となります。この非課税枠は、法人ではなく個人が所有する農地に特有の基準です。住宅用の空き地は、建物が建てられるまでの間、一般的により高い商業用の税率で課税されます。
取引総コストの見積もり方
標準的なフリーホールドのコンドミニアム売買における現実的な目安として、(cite index="8-2">タイの不動産移転にかかる政府費用の合計は、不動産の公示評価額の2.5%から6.3%超の範囲に収まるのが一般的です。この幅は、主に売主の保有期間と、SBT・印紙税のどちらが適用されるかによって変動します。デベロッパーから直接購入する買主は、デベロッパーが不動産事業者として扱われるため、印紙税ではなくSBTの対象となる点にも注意が必要です。これは、デベロッパーが別途明示するのではなく、提示価格にあらかじめ織り込んでいることが一般的なコストです。
よくある質問
- タイでは移転費用を買主と売主のどちらが支払いますか?
- 2%の移転費用は、買主と売主で50/50に分担するのが慣例ですが、これは法的義務ではなく交渉可能な慣習です。必ず売買契約書で分担割合を確認してください。
- 特定事業税(SBT)と印紙税の違いは何ですか?
- 特定事業税(3.3%)は、売主の保有期間が5年未満の場合や事業として売却する場合に適用されます。印紙税(0.5%)は、保有期間が5年以上になった場合に代わりに適用されます。両者は互いに排他的で、同時に課されることはありません。
- 外国人のコンドミニアム購入者も移転費用の軽減措置を受けられますか?
- 移転費用の軽減措置は歴史的に、一定の価格上限以下の住宅を購入するタイ国籍者に限定されてきたため、外国人買主は通常、標準の2%の税率を支払うことになります。最新の適用条件は必ず土地局で確認してください。
- 源泉徴収税は買主と売主のどちらが支払いますか?
- 源泉徴収税は、売主の売却益に対する所得税の前払いとして、土地局で売主の受取金額から控除されます。買主がこの費用を負担することはありません。
- 個人の売主と法人の売主で源泉徴収税の計算方法はどう違いますか?
- 法人の売主は、評価額と売買価格のいずれか高い方の1%を一律で支払います。個人の売主は、評価額と保有年数に基づく累進的な計算が適用され、保有期間が長いほど控除率の仕組みにより税負担が軽くなります。
- 同じ売買で特定事業税と印紙税の両方を支払う必要がありますか?
- いいえ。この2つの税は互いに排他的であり、1つの取引に対してSBTか印紙税のどちらか一方のみが課され、両方が同時に課されることはありません。
- 土地建物税とは何で、どのくらいの頻度で課されますか?
- 土地建物税は、地元自治体が毎年請求する年次の不動産税で、土地と建物の政府評価額に基づいて計算されます。住宅用、商業用、農業用、空き地でそれぞれ異なる税率が適用されます。
- 自分の主たる住居は土地建物税の非課税対象になりますか?
- 所有者が土地と家屋の両方を保有する主たる住居の場合、評価額のうち最初の5,000万バーツまでは非課税となり、それを超える部分には低い税率が適用されます。
- リースホールド物件はフリーホールドと同じ方法で課税されますか?
- いいえ。リースホールドの登記費用はリース総額のおよそ1.1%(1%の登記費用+0.1%の印紙税)程度で、フリーホールドの移転費用よりもはるかに低く設定されています。これは、リースが所有権の移転ではないためです。
- タイでコンドミニアムを購入する際、政府税として総額どのくらいを見込んでおくべきですか?
- 標準的なフリーホールド売買における政府への移転関連費用の合計は、評価額のおよそ2.5%から6.3%超の範囲が一般的な目安です。主に売主の保有期間と、SBTまたは印紙税のどちらが適用されるかによって変動します。
- デベロッパーから購入する場合、適用される移転税は変わりますか?
- はい。デベロッパーは不動産事業者として扱われるため、一般的に印紙税ではなく特定事業税(SBT)がその売却に適用されます。このコストは通常、デベロッパーが提示価格にあらかじめ組み込んでいます。
- コンドミニアムを購入した後、土地建物税を支払う法的責任は誰にありますか?
- 所有者として登記された時点から、その不動産を保有している限り、地元自治体が発行する毎年の土地建物税の支払い責任を負うことになります。
本ガイドは一般的な情報提供を目的としたものであり、公開されている情報をもとに作成され、2026/10/9時点でレビューされています。法律または税務に関する助言ではなく、タイの弁護士資格を持つ専門家によるお客様固有の状況の確認に代わるものではありません。タイの税率、課税基準、法的要件は変更される可能性があるため、契約書に署名する前に、独立した弁護士に最新の状況をご確認ください。
